2015-12-04
たてものに癒される。
12/2~3と東京に行ってきました。
昨日は少し時間があったので、「江戸東京たてもの園」に行ってきました。
そこには、およそ大正~昭和初期に建てられた住宅など小規模木造建築が保存されています。
中でも前川國男邸は有名ですね。
保存されている住宅などを見て回ると、今とは違うスケール感を感じる事が出来ます。
現在の私たちが知っている建築より全てがちょっと小さいのです。
それはとても心地良く、生活をするのに丁度いい、実に落ち着くスケール感なのです。
当時と現在の生活様式、人間の体系は少し変わってきているのに、なぜ心地よく感じるのでしょうか。 当時は現在と比べて物も少なく現在よりも小さく小さく設計する事が可能だった時代だったのかもしれません。そして大量生産品が無く、きっと設計段階、施工段階において、考えに考え抜かれ、現在と比べてひとつひとつが人の手により丁寧に造り込まれているからでしょう。
現在の建築、特に住宅建築においては、中に運び込まれる製品が大きくなり、既製品の建材を使ってしまうと、不具合、クレームなどを恐れ、すべてを大きく大きく造る傾向は否めません。
その結果、考える事、造り込む事が疎かになり、大ざっぱな、ボテッとしたものになり、その空間に入っても人間のスケール感と違う、スケールの大きいボヤけた建物が出来てしまうのです。
今回見た住宅の中に入ってみると現代人の私がその空間にいても、決して小さく感じることはなく、実に居心地が良いのです。それは残念なことに現在の建築よりとても沢山の事について考え込まれているからだと思いました。窓の大きさ、木の見せ方、見付の大きさ、細さ。
建具の大きさ、扉の幅。家具の大きさなどなど、すべてにおいてそうなのです。
もっともっと色々とじっくり考え込まないとダメだな。と改めて痛感し、久しぶりに建物に癒されるという感覚を身体いっぱいに感じることが出来て良かったです。
もっと追究しないとダメですね。